バイオリンのメンテナンス


 

バイオリン表面のニスについて

・お手入れの仕方

楽器のお手入れに使うクロスは松脂を拭く用と、汗を拭く用で2枚を使い分けましょう。1枚で拭くと汗と松脂が混ざって固まってしまい、汚れの原因になります。クロスはメガネ拭きの様な柔らかい布を使うと傷をつける心配がありません。

・汚れ落とし

バイオリンのニスの上についた汚れを落とすクリーナーが販売されていますが使い方に要注意。楽器とクリーナーの種類や磨き方よって、ニスが剥げてしまうことがあります。汚れ落としは工房に頼むのがベストです。普段からクロスできちんと拭くことを心がけましょう。

 

ペグ

・回し方のコツ

1. いきなり張ると弦に負担がかかるので、少し緩めてから張る

2. スクロールの片側に指をかけて、中に押し込むように回す

3. 最後に駒の傾きがないかチェックする

・ペグの不具合

湿度が高くなってくると、木が膨張し、ペグが回らなくなる場合があります(もちろんこの逆の場合も)。ペグコンポジションを塗る、ペグを入れ直し当たる位置を調整する等の手段がありますが、あまりに酷い場合は工房に持って行ってみてもらいましょう。場合によっては削る等の修理が必用です。 

 

・簡単な点検の仕方

駒の正しい位置の確認の仕方は、おおまかに下記の2点です。

・横から見て顎当て側が直角に立っているかどうか。

・真上から見て両サイドのfの字の横線と同じ位置に立っているか。

反った状態で癖のついてしまった駒は交換の必用があります。

 

保管方法

 

弓の毛は緩めて保管しますが、弦を緩める必要はありません。

楽器をケースにしまい、直射日光のあたらない場所に保管しましょう。

室温は人が快適に過ごせる温度が楽器にも調度良いです。

持ち運びの際はケースに入っているのでそこまで神経質になる必要はありませんが、大きな衝撃を与えたりしない様に気をつけましょう。

 

 

バイオリンの弦について


 

交換の目安と頻度

下記の中の1つでも当てはまったら交換をおすすめします。

・弦が錆びる

・巻き線がほつれる

・弾いた時の反応、音の出方が悪い

・響きがなくなる

・5度を押さえたときの音程が合わない

楽器の使用頻度とお手入れの仕方にもよるので大まかな目安ですが、半年~1年に1度を目安に交換しましょう。

 

弦の種類と特徴

♪ガット弦…ガット(羊の腸)が使われています。やわらかく豊かな音が魅力的です。温度や湿度に調弦が影響されやすく、価格も高いという欠点もあります。(例:オリーブ、オイドクサ、パッシオーネ)

♪ナイロン弦…ガット弦に比較的近い音色を持ち、音程が安定しています。張り替えた後は、二日ほどの弾き込みで音程が安定します。(例:エヴァ・ピラッツィ、オブリガート、ヴィジョン、ドミナント、インフェルド等)

♪スチール弦…しなやかさや音の柔らかさでは劣りますが、弦が伸びにくいためチューニングも簡単で寿命も長く、低価格です。(例:クロムコア、ヘリコア、プレリュード等) 

とてもたくさんの弦の種類があります。音の好みやそれぞれの楽器との相性もあるので一概にどの弦が良いということはありません。まずは、ドミナント、ヴィジョン辺りの使用がおすすめです。慣れてきたら色々な弦を試して好みのものを探してみて下さい。

 

弦を長持ちさせるコツ

・爪を短く切る(深爪には注意!)

・弦に爪が当たらない様にする。

・弾き終わったらきちんと汗を拭き取る。

・駒やナット等に傷がないかチェックする 。

※いくら気を付けても切れるときは切れるもの。予備弦をケースにいれておくことをおすすめします。特にE線。

 

弦の張り替え方

まず最初は、弦楽器のお店の方やバイオリンの先生に見本を見せて頂くことをおすすめします。

弦を張り替えるときは必ず1本ずつ。4本いっぺんに外すと駒が(下手をすると中の魂柱も)倒れてしまいます。1本張り替える度に駒の曲がりを直すようにしましょう。