バイオリンの準備の仕方・片付け方


バイオリンの出し方・仕舞い方については初心者の方の初回レッスンで説明するのですが、お家に帰ってわからなくなったり、新たな疑問が出てきたりする事も多い様です。お家でのバイオリンの扱いで「困った!」というご相談をよく受けるので、準備と片付けの流れと注意点やアドバイスをまとめて掲載します。

 

 

バイオリンの出し方/弾く前の準備の仕方


 

1.

まずケースを開きます。

床でも机の上でもいいですが、安定した場所で開けるようにしましょう。

 

小さい子が開ける時にふざけてケースの上に乗る事がありますが、もちろんNGです!

 

 

2.

用意する順番はバイオリンからでも弓からでも大丈夫です。

こちらの例では弓から準備してみます。

まず、ほとんどのケースについている弓を固定するストッパーを外します。

私の持っているケースは写真の様な感じ。

パチンと横にまわすと弓の出し入れが出来るようになります。

 

3.

弓を持つ部分の端についている「スクリュー」と呼ばれるネジを右に回して弓の毛を張ります。

※「スクリュー」は1つ前の写真の赤丸の部分です。

弓の毛の張り具合についてよく質問されますが、私の目安は弓の中央部分のスティックと毛の間に小指がはまるくらいです。

弾き方の好み、演奏する曲にもよりますのであくまで目安とお考え下さい。

ただ、張り過ぎも木の部分に良くないのでご注意を!

 

4.

弓の毛を張ったら松脂を塗ります。

ケースの中の小物入れから松脂を出しましょう。

 

5.

弓の毛の元から先まで均等に塗ります。

塗りにくい元と先の端は丁寧に塗りましょう。

ちなみに、弓の毛の部分を指で触ると手の脂や汚れが毛について松脂が付きにくくなるので触れないように気をつけましょう!

 

6.

どのくらい塗ればいいですか?という質問も多いです。

写真の様に弓を斜めから見ると、毛の表面に松脂の粉がどの程度ついているかわかります。

グレーがかった色に見えたら松脂の付け方が足りません。

白い粉が均等に薄くついているくらいがベストです。

粉が毛の表面にたくさん見えて、弾いた時に松脂の粉が舞う様であれば付け過ぎです。

(これも好みによるのでいろいろ試して見て下さい。)

 

7.

弓の準備はこれで終わり!

次にバイオリンを出して肩当てをつけます。

肩当ての端の幅が少し広い方を顎当ての下にくるように取り付けます。

肩当てをはめる角度、肩当ての高さについてはレッスンの時にその方の体型に合うように調整しますので仰って下さい。

 

8.

横から見るとこんな感じです。

間違った方向につけると違和感があるのですぐわかるのですが、慣れないと難しいので、特に小さい子の場合は目印のシールを付けてあげると付けやすいです。

時間がかかってもいいので、なるべく子ども自身で準備させるようにしています。

 

これで準備は終了!

調弦をして演奏しましょう♪

【調弦についてはこちらのページをご覧下さい】


バイオリンの片付け方


 

1.

仕舞うときは必ず弓の毛を緩めましょう。

スクリュー(弓のネジ)を左側に回すと毛が緩まります。

空回りするまで左に回すとスクリューが外れてしまうので注意して下さい。

(もし外れてしまってもまたはめればいいだけです。)

弓の毛の中央の部分がが少しばらばらになるくらいが目安です。

 

2.

弓を固定するストッパーをたてにして弓を固定します。

※このタイプじゃないケースもあります。

出し入れする際に弓の毛が絡まない様に注意して下さい。

ひかかって毛が切れてしまうことがありますが、数本切れるくらい何も問題ありません。

 

3.

演奏する際についてしまった汚れを拭き取りましょう。

手の脂・汗を拭き取る用の布、松脂を拭き取る様の布の2枚あると良いです。

写真の赤丸の部分を汗用の布で、青色の部分を松脂用の布で拭きましょう。

布はメガネ拭きの様な柔らかい素材のものが好ましいです。

 

♪ワンポイントアドバイス

・弦についた松脂を拭くときは弦をつまむようにして拭きましょう。

・バイオリンの表板についた松脂は優しく拭いて落としましょう。

・弓の木の部分についた松脂も軽く拭いましょう。

・弦についた脂汚れを毎回拭うと弦の保ちが良くなります。

 

拭かないで放置していると松脂の汚れがたまってきて、プロに頼んで掃除してもらう必要が出てくる場合もあります。

こまめに綺麗にしましょう♪

 

4.

必ずバイオリンの肩当てを外してからケースにしまいましょう。

大きいケースであれば肩当てが中に入りますが、小さいケース、特に子供用のケースの場合中に無理やり入れず、レッスンバッグかケースの外の小物入れのスペースにしまいましょう。

最後に楽器にブランケット(写真の布)をかけるのも忘れずに。

布をかける事でケースの中で弓がバイオリンにあたってしまうのを防げます。

 

5.

チャックのついたケースは必ず最後まできちんと閉めましょう。

閉め忘れたり、一部しか閉めずに持ち運ぶと、開いて楽器が出てしまう危険があるのでご注意を!